魔法陣食堂 収録曲コメント

『魔法陣食堂』 収録曲コメント

1.世界の涯で天丼を食らう

何の脈略もなくいきなり80年代サウンド御開帳。壮大なサウンドスケープの中で極私的でみみっちい世界観を歌い上げる55歳男性。ギターがコンプとディレイでカッチャーンっと云ってますでしょカッチャーンと。世界は中心でも涯でもとにかくみんな繋がって響いているんだよカッチャーンと。

2.クローリス

70年代のマジメで才気溢れる若きプログレバンドに「ちょっとシングルヒット狙わねーか」的な軽いノリのプロデューサー計略に嫌々従ってみたけどまあそこそこ気に入った曲が書けたかなと云う感じのクラシカルロックインスト。〇〇〇〇〇の未発表曲発掘と偽ってリリースしてみたかったなんてウソよー。でもこの曲が出来上がってホントにシアワセよー。

3.相模湾

夜明けや夕暮れの相模湾の青い色はワタシの心の奥底にずっと横たわっているブルー。伊豆とか小田原とかの西よりは三浦半島側の東方面の方が馴染みのある色彩。生命活動の多様さと儚さと素っ気なさがメロディーを紡いでは解し、また紡ぐ。赤いギターで弾いた青いギターインスト。

4.おかしな二人

ジャック・レモンとウォルター・マッソーと云うよりはトニー・ランドールとジャック・クラグマン。素浪人花山大吉での近衛十四郎と品川隆二。そして何よりマカロニほうれん荘の金藤日陽と膝方歳三。随分前(1990年代初頭)に作ってライブ(2000年代)でもちょっと演奏したこともあったこの曲をようやくレコーディング。歌詞はリニューアルしました。感無量。

5.魔法陣食堂

ウクレレで突発的にレコーディングした小品。お客も店員もいない世界の涯の食堂。いらっしゃいませ。

6.悪魔メフィストの御挨拶

小野瀬雅生ダダ漏れ作品。ギターは指の向くまま気の向くままテキトーに無計画に弾いて重ねたらプログレっぽくなったと云う自分のお里が知れる自動書記的ダダ漏れトラックに他のトラックでラップにしようと思っていた脳内の昭和のテレビ記憶怪獣宇宙人妖怪時代劇お色気等々ダダ漏れワーズを無理矢理移植してもう歌だか語りだか判らん変なダダ漏れ世界が魔法陣の中から現れましたってホントウは魔法陣の中に自分がいて呼び出すのがオリジナルで要するに魔法陣は結界の役割を果たしていたのを水木しげる先生が改変して魔法陣の中から悪魔やら何やらが出てくることになったわけでこれ日本オリジナルなんですよ知ってましたか半魚人って言葉も日本にしかなくて日本って勝手にでもやるんだよ精神でやるんですよってまあそんな曲なのよエロイムエッサイムエログロナンセンス。

7.イレブンダービー

こちら11拍子でアコースティックギターインスト。11拍子だからイレブンなんです安直でスミマセン。イレブンフィッシングときたらイレブンダービーだろうと安直な発想もこれ11PMなる番組のことを知らなければ何のことかさっぱり判らんでしょうなと思う2018年の夏は暑い。

8.イレブンフィッシング

歌詞なんて載せるつもりではなかったのですがふと思い付いて魚の歌になりました。ファンクっぽく始まっても結局プログレが侵入してくるのはこちらとしても対処に苦慮しているところで御座います。

9.よくあるはなし

この曲の原案はワタシが高校を卒業した頃くらいに出来たのでもう35年くらい前のモノです。ふと思い立ってレコーディングしてみたら、当時朧気に感じていたことがとても露悪化していている2018年の世の中にすぅっと沁み込みました。ニンゲンはずっとずっと変わりなくニンゲンで、でもいつかニンゲンを超えて行きたいと思いつつ歌ってみました。レゲエのリズムは原案通り。正体不明のオルガン的シンセ音を発見した時の歓び格別なり。

10.ウルトラファイト

これもウルトラファイトをご存じないとさっぱりのタイトル。動画など検索して戴けると幸いです。何だかギターでやるのがどうしてもしっくり来なくて思い付きでウクレレで弾いてみた次第。バンドとウクレレのウルトラファイト的出逢いは突然にのインスト曲。ウクレレの3弦をダウンチューニングしたらそこだけふにゃっとなってそれが怪獣着ぐるみのふにゃっとした感じ(角とか首とか)に通じたら幸いです。

11.スカイフィッシュフライ

スカイフィッシュなるUMAはフライにして食べてみたらアジフライやイワシフライのようにウマイのかどうかを問うてみたいギターインスト。でも一番ウマイのは北海道で食べるホッケフライだと俺は知っているぜベイビー。アイズレーになるかと思いきやギルモアを目指してハケットの辺りに着陸の中途半端さが愛おしいかもねそうかもね。

12.ゆきおとこ ゆきおんな

20181月のバンドトラックのレコーディング2日目。天気予報通り雪が降ってきてこれでお終いにしようという時に「もう1曲録らせて」と無理矢理メンバーみんなにプレイしてもらった曲。雪どんどん積もってるのにスミマセンでした。そんなまでして録ったのに初夏まで放置。ワタシってそんな人。でもある日、その雪のイメージがワタシの頭の中で急に吹雪いてこんなクールで冷え冷えとした歌となりました。小野瀬雅生やりたい放題、これにてお後がよろしいようで。